不妊の原因

不妊とは

不妊とは不妊症とは、健康な男女が妊娠を望み、1年以上避妊せずに性交を行っているにもかかわらず、妊娠に至らないことを指します。
一般的には、1年間で約9割のカップルが妊娠に至りますが、逆に10組に1組が不妊カップルともいえます。
ただ、必ずしも1年以上お二人だけで妊娠を試みなければならないわけではありません。医療の介入が必要な場合は、早期であるほど、妊娠までの期間を短くできる可能性が高まります。「不妊かも?」と考えられた場合、早めにご相談ください。
また、妊娠を希望した時点で、スクリーニング検査を受けるということもご検討ください。

不妊の原因は、年齢によるものだけでなく、男女それぞれにある場合があり、要因もさまざまです。「カップル両方の原因」「女性側の原因」「男性側の原因」に分けて見ていきましょう。

不妊の原因

不妊の原因と割合は、以下のような調査結果が出ています。(日本受精着床学会・倫理委員会:非配偶者の生殖補助医療による不妊患者の意識調査.2004:21:6-14)
卵巣因子:20.5%
卵管因子:20.4%
子宮因子:17.6%
免疫因子: 5.2%
男性因子:32.7%
不妊の原因には、女性にも男性にもある可能性があるので、双方の検査を受ける必要があります。

    両方が不妊の原因となる“加齢”や“心理的問題”

    加齢による影響

    男性も女性も、加齢によって妊娠のしやすさ「妊孕性」は低下していきます。
    特に女性は年齢と妊孕性の関係が深く、30歳頃から徐々に、そして35歳頃から顕著に、妊孕性が低下していきます。これは主に、卵子の質が低下していくことが原因と言われています。
    一方で男性も、女性と比べると緩やかではありますが、35歳頃から精子の質が低下し、併せて妊孕性も低下していくことがわかっています。

    心理的な影響

    「子供が早くほしい」「まわりがどんどん出産している」といった強い思いや焦りがストレスとなり、性腺刺激ホルモンをつくる機能が乱されることがあります。女性であれば排卵障害や卵管の痙攣、男性であれば精子の形成の阻害や運動率の低下を招く可能性があり、いずれも不妊症の原因となります。
    また、「もしかして不妊症なのかも」という不安を抱えたままお二人だけで妊娠を試みることも、ストレスとなることがあります。
    四条烏丸レディースクリニックでは、妊活相談外来を開設しておりますので、お困りのことがございましたら、一度ご相談ください。不妊治療をするかどうか決めていない段階でも、ご相談を承ります。

    妊活相談外来について詳しくはこちら

    <女性>女性の不妊の原因は主に6つ

    ①排卵因子

    乳汁を分泌させるプロラクチンというホルモンの分泌が盛んになることで起こる「高プロラクチン血症」、男性ホルモンの分泌が盛んになる「多嚢胞性卵巣症候群」、多大な精神的ストレス、短期間の急激なダイエット(体重減少)などは、排卵障害や月経不順を招き、不妊症の原因となります。
    月経不順が見られる方は、排卵障害が疑われますので、一度ご相談ください。

    ②卵管因子

    性器クラミジア感染症は、卵管の閉塞、卵管周囲の癒着を招きます。卵子が卵管に取り込まれにくくなり、不妊症の原因となります。女性の性器クラミジア感染症は症状がほとんどないことも多いため、特にパートナーが感染したときには検査が必要です。
    その他、虫垂炎などの骨盤内の手術を受けた方、子宮内膜症の方は、卵管周囲の癒着を起こしている可能性があります。

    ③子宮因子

    月経量が多い方、貧血を指摘された方は、子宮筋腫を疑う必要があります。子宮筋腫の内の一部には、着床だけでなく、卵子への精子の到着を妨げるものもあります。また、子宮内膜ポリープ、子宮の癒着・月経量の減少を招くアッシャーマン症候群が着床を妨げることがあります。

    ④頸管因子

    子宮頸部の炎症、手術によって経管の粘膜量が減少し、精子の子宮への貫通を妨げることがあります。
    排卵期に透明で粘り気のあるおりものが見られる場合には、一度ご相談ください。

    ⑤免疫因子

    免疫異常によって精子を障害する抗体がある場合、頸管粘膜内からの分泌によって、精神の通過を妨げてしまうことがあります。
    この抗体は卵管内でも分泌されるため、人工授精によって精子を子宮腔の奥まで注入したとしても、通過が妨げたり、授精を妨げたりすることがあります。

    ⑥原因不明不妊

    検査をしても明らかな原因が見つからないことを、原因不明不妊といいます。原因不明不妊は、不妊症全体の10~15%を占めます。
    ただ、あくまで「検査をしても明らかな原因が見つからない」ものであるため、原因がまったくないというわけではありません。
    考えられる原因としては、何らかの作用によって体内での精子と卵子の受精が妨げられていることが考えられ、この場合は人工授精や体外受精の適応となります。
    また、加齢などにより、精子や卵子の質が低下していることも考えられます。女性の妊孕性は、37~44歳のあいだのいずれかの時点で消失すると言われています。このため妊娠を希望する場合には、妊孕性が低下する前から、またできるだけ早く不妊治療を開始することが重要になります。