ピル

ピルとは

ピルとは月経周期をコントロールしている、女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類)が含まれている合成ホルモン剤のことです。その中でも、含まれているホルモンの量をできるだけ少なく抑えてるものがOC(oral contraceptives)、つまり「低容量ピル」と呼ばれるものです。ピルを服用することで月経不順の改善、月経困難症、月経前緊張症の軽減、月経血量の減少など、様々な効果があります。また女性が主体的に避妊して、望まない妊娠による中絶手術を避けることができます。
ピルには毎日内服するわずらわしさや、不正出血が起こるなどのトラブルはあります。ですが、それに以上に内服する女性に大きなにメリットをもたらしてくれるものです。
当院では、ピルを処方前に効果と副作用を説明し、安心して内服していただけるように心がけています。

ピルのメリット

ピルを服用する目的とは「ピル」ときいてすぐに思い浮かぶのは避妊のためのピルかもしれませんが、それ以外にもさまざまな目的のために使用されています。

生理痛・生理不順・子宮内膜症・排卵痛の改善

低用量ピルを服用することで、排卵が抑制されます。そのため、排卵痛が起こらなくなります。
また、子宮内膜の増殖も抑制されることから、生理痛の軽減・消失、子宮内膜症の改善が期待できます。

PMSの改善

PMS(月経前症候群)とは、なんとなくイライラしてしまう、乳房が張るなど、月経の3~10日前に起こる不快な症状の総称です。
低用量ピルを服用することで、女性ホルモンの変動を抑制するため、PMSの症状が起こりにくくなります。

肌荒れ・ニキビの改善

低用量ピルの服用によってテストステロンの分泌が抑えられ、ホルモンバランスが正常化されるため、肌荒れやニキビの改善・予防が期待できます。

卵巣がん・子宮体がんの予防

低用量ピルの継続的な服用によって、卵巣がん、子宮体がんのリスクを低減させることが報告されています。

避妊効果

低用量ピルの適切な内服により、99%以上の避妊効果が得られます。
コンドームを使用したときの避妊効果が85%であることを考えると、いかに効果が高いかが分かります。
※ピルを服用している場合でも、性感染症の予防のためにはコンドームの使用が必要です。

ピルの分類

高用量 エストロゲンの量が1錠中50μgより多い
中用量 エストロゲンの量が1錠中50μg
低用量 エストロゲンの量が1錠中50μgより少ない(低用量ピルは30μg~35μg)
超低用量 エストロゲンの量が1錠中30μgより少ない(ヤーズ、ジェミーナ、ルナベルULDは20μg)

ピルは1錠中に含まれるエストロゲンの量により高用量、中用量、低用量、超低用量に分類されます。※ μg(マイクログラム)

当院で取り扱っているピルの種類

ピルはエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが含まれています。 低用量ピルに含まれるエストロゲンはすべて同じ種類のエチニルエストラジオールというエストロゲンが含まれています。
プロゲステロンの種類と開発順により低用量ピルは4世代(4種類)に分けられます。

※患者さまお一人お一人のピル使用の目的に合致する最適な低用量ピル処方をしております。

ルナベルLD/ULD(第1世代)

卵胞の発育を抑え排卵を抑える作用により月経時の疼痛を軽減するため、月経困難症に用いられます。
21日間服用し、その後7日間は服薬しません(休薬期間)。この28日間を1周期とし、出血が終わっているか継続しているかにかかわらず、29日目から新しいシートの錠剤で服用を開始し、以後、同様に繰り返します。

フリウェルLD/ULD(第1世代)

フリウェルはジェネリック医薬品です。
成分はルナベルと全く同じです。

トリキュラー(第2世代)

トリキュラーホルモンの配合量が3段階に分かれている3相性のピルで、不正出血が起きにくいという特徴があります。

ジェミーナ(第2世代)

ジェミーナ「21日間服用+7日間休薬」または「77日間服用+7日間休薬」のスケジュールで使用します。
適応する症状は、子宮内膜症にともなう疼痛や、月経困難症です。
保険適応です。

マーベロン(第3世代)

マーベロン男性ホルモンの作用が弱いので、ニキビや脂漏を生じることも少ないお薬です。

ヤーズ(第4世代)

ヤーズ黄体ホルモンとして採用されているのが、男性ホルモン様作用がほとんどなく、また弱い利尿作用を持ち合わせているのが特徴です(抗アンドロゲン作用、抗アルドステロン作用)。このため、ニキビやむくみに対する副効用が期待できます。

ヤーズFlex(第4世代)

ヤーズフレックス配合錠は、国内で初めて連続服用が可能となったLEP製剤です。
連続服用することにより定期的な休薬期間の回数を少なくし、休薬期間に多くみられるホルモン関連症状(骨盤痛、頭痛、腹部膨満感、乳房痛など)の減少が期待できるほか、28日周期で服用する場合に比べ、出血の回数および痛みを伴う出血日数の減少が期待できます。

ピルの副作用について

  • 吐き気
  • 乳房の張り
  • 不正出血
  • 頭痛
  • 下腹部痛
  • むくみ 
  • 血栓症

ピルを飲み始めてすぐは、上記のような副作用が現れます。ただ通常、2~3ヵ月以内にほとんど消失します。
副作用が強い場合は一旦ピルを中断してご相談下さい。

重大な副作用は血栓症について

血栓症とは血管の中に流れる血液が凝固し、血液の流れを栓をして止まってしまう症状です。 発症例は極めて少ないですが、血栓症が発症するとふくらはぎや太ももが腫れ、痛みを伴います。
喫煙者で1日15本以上喫煙する方は、血栓症のリスクが高いと言われています。

ピルを服用できない人

  • 血栓素因のある方、既往のある方
  • 35歳以上で1日15本以上たばこを吸う方
  • 前兆を伴う偏頭痛
  • 脂質代謝異常・重度の高血圧
  • 妊娠中、授乳中の方
  • 乳がんの方

ピルを飲み忘れたら

低用量ピルのほとんどは、飲み忘れ防ぐために錠剤がシート状についており、順番通りに服用していくと、現在服薬周期の何日目というのがわかるようにつくられています。 1日1錠決まった時刻に服用します 。
服用予定よりも2時間以上超えないように気をつけてください。

1錠の服用を忘れた場合(直前の服用からの経過が24時間未満の場合)

  • 飲み忘れた錠剤を気付いた時点で服用してください。
  • その日の分は予定通りに服用してください。
  • 緊急避妊は通常必要ありません。もし、同じ周期ですでに飲み忘れがある場合、又は前の周期の最終実薬週に飲み忘れがある場合には、緊急避妊を検討してください。

2錠以上の服用を忘れた場合(直前の実薬服用から既に24時間以上経過している場合)

  • 飲み忘れた錠剤のうち、直近のものを気付いた時点で服用してください。
  • その日の分は予定通りに服用してください。
  • コンドームなどの追加の避妊法を使用するか、または7錠以上連続して服用するまでは性交を避けてください。
  • 第1週に飲み忘れ、かつ直前5日以内に性交があった場合には、緊急避妊を検討してください。
  • 第3週に飲み忘れた場合には、休薬期間を設定せず(あるいはプラセボを飲まず)、現在のシートの実薬を終了したら、すぐに次のシートを始めてください。

ピルの費用

種類 費用
ルナベルULD 保険適用
3,435円
ルナベルLD 保険適用
3,234円
フリウェルULD 保険適用
1,514円
フリウェルLD 保険適用
1,596円
トリキュラー 3,300円
ジェミーナ
(21錠タイプ)
保険適用
1,960円
ジェミーナ
(28錠タイプ)
保険適用
2,610円
マーベロン 3,300円
ヤーズ 保険適用
2,020円
ヤーズFlex 保険適用
2,350円